2006年 12月 02日
読後感・町田康『パンク侍、斬られて候』(角川文庫) |
『へらへらぼっちゃん』を読んで以来、大ハマり中の町田康です。
文庫化されたばっかの『パンク侍』が古本屋にあったので購入。
まぁストーリーはめちゃくちゃ。
「圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!!」
と裏表紙に書いてあるんやけど、これのどこが時代小説なんでしょうか。
ちゃんと読んで書いたのか?
舞台は江戸、登場人物が小藩の役人達と牢人と諸々。
そこまではいいんやけど、台詞が現代語と時代劇語ごっちゃごちゃ。
内容も司馬遼太郎みたいなんとは劇的にかけ離れてて、
設定こそ特異なものの、いたって普通の町田小説ですね。
ま、町田康の名前を見たら、間違っても時代小説ファンは買わないと思うけど。
この作品、あらゆる場面に現代社会の風刺が織り交ぜられています。
政治や官僚に対するものに関して言えば、誰が読んでもよく分かる。
でも途中から、会話のレトリック、若者、批評理論、新興宗教、世界情勢…
ありとあらゆるものを批判というか笑いの種にしているので、
どうだろう…20代から30代の人が一番笑えるんじゃないでしょうかね。
個人的には野外フェス(恐らくフジロック)、天才詩人の風刺が好きです。
でもちょっとグロいとこがあったのは勘弁。飯前に読むもんじゃないね。
オチもすぐ分かってしまうし、こ難しいことを言ってる場面もあるんやけど、
あんまり深く考えずに、頭の中に情景を描きながら読むといいかも。
文字だけを追っていると、結構疲れました。
町田康、勢いに任せてめちゃくちゃ書いてるように見えるが、実際どうなんだろう。
今まで彼の書いた/出た作品を観ると、マルチタレントで天才なんやろなーっていう
印象を強く受けてたんやけど、ちょっとその見方が変わったかもしれん。
この小説の中に「自己の客観化」の場面が時々出てくるんやけど、
それを小説の中で言うってことは、彼自身が自分を客観視できている、
あるいはそれを理想としているからであり、
彼がきっちり「自己の客観化」を成し遂げているとすれば、それは恐ろしいこと。
自分の才能を自認はしているが、自己批判することができない人、
それが世によくいる(かどうか知らんが)天才じゃないんですかね。
と考えると、町田康は何なんだ。
常人でないことは読めば感じる。でも、ただの「へらへらぼっちゃん」ではない。
わからんなぁ。会って話してみたいもんだ。
ちなみにこの小説も高橋源一郎の解説がついてる。
うん、これはなかなか良いと思う。
でもなんか好きになれんとこがあるんよねぇ。なんやろ、文体かなぁ?
今度は高橋源一郎を読みます。
文庫化されたばっかの『パンク侍』が古本屋にあったので購入。
まぁストーリーはめちゃくちゃ。
「圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!!」
と裏表紙に書いてあるんやけど、これのどこが時代小説なんでしょうか。
ちゃんと読んで書いたのか?
舞台は江戸、登場人物が小藩の役人達と牢人と諸々。
そこまではいいんやけど、台詞が現代語と時代劇語ごっちゃごちゃ。
内容も司馬遼太郎みたいなんとは劇的にかけ離れてて、
設定こそ特異なものの、いたって普通の町田小説ですね。
ま、町田康の名前を見たら、間違っても時代小説ファンは買わないと思うけど。
この作品、あらゆる場面に現代社会の風刺が織り交ぜられています。
政治や官僚に対するものに関して言えば、誰が読んでもよく分かる。
でも途中から、会話のレトリック、若者、批評理論、新興宗教、世界情勢…
ありとあらゆるものを批判というか笑いの種にしているので、
どうだろう…20代から30代の人が一番笑えるんじゃないでしょうかね。
個人的には野外フェス(恐らくフジロック)、天才詩人の風刺が好きです。
でもちょっとグロいとこがあったのは勘弁。飯前に読むもんじゃないね。
オチもすぐ分かってしまうし、こ難しいことを言ってる場面もあるんやけど、
あんまり深く考えずに、頭の中に情景を描きながら読むといいかも。
文字だけを追っていると、結構疲れました。
町田康、勢いに任せてめちゃくちゃ書いてるように見えるが、実際どうなんだろう。
今まで彼の書いた/出た作品を観ると、マルチタレントで天才なんやろなーっていう
印象を強く受けてたんやけど、ちょっとその見方が変わったかもしれん。
この小説の中に「自己の客観化」の場面が時々出てくるんやけど、
それを小説の中で言うってことは、彼自身が自分を客観視できている、
あるいはそれを理想としているからであり、
彼がきっちり「自己の客観化」を成し遂げているとすれば、それは恐ろしいこと。
自分の才能を自認はしているが、自己批判することができない人、
それが世によくいる(かどうか知らんが)天才じゃないんですかね。
と考えると、町田康は何なんだ。
常人でないことは読めば感じる。でも、ただの「へらへらぼっちゃん」ではない。
わからんなぁ。会って話してみたいもんだ。
ちなみにこの小説も高橋源一郎の解説がついてる。
うん、これはなかなか良いと思う。
でもなんか好きになれんとこがあるんよねぇ。なんやろ、文体かなぁ?
今度は高橋源一郎を読みます。
by novaexp
| 2006-12-02 12:52